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置換換気と放射パネルを併用した病室のセミパーソナル空調に関する研究
■研究の背景
 病室という場所は入院中の患者にとって自らの病気を癒す場所であり最も長い時間を過ごす空間である。 そのため病室では療養生活と医療行為が両立できるよう非常に高い清浄性・快適性が要求される。 空気環境の観点からは清浄な空気質の維持を、熱環境の観点からは冷暖房の効率について配慮することが重要である。 病室の空気環境において最も大きな問題となるのは人体やし瓶などから発生する臭気である。特にわが国の主流である多床室では 多くの臭気発生源が存在し快適性が損なわれてしまう。さらに多床室では患者一人一人に対して熱環境の個別制御が難しいといった問題がある。
■研究目的
 空気環境においては臭気の拡散を防止する空調方式と、熱環境においては個別制御可能な冷暖房装置が必要になる。 そこで本研究は、病室の臭気の拡散を防止するための手段として省エネルギーと清浄な空気質の維持を同時に達成できる換気方式の置換換気空調を提案し、 それらを併用したシステムの有効性の検証を行うことを目的としている。
■置換換気とは
 この換気方式は、床面付近から非常に低速で新鮮な空気低温の清浄空気を給気し、 天井付近から排気を行う空調方式のことであり、室内に人体や機械などの発熱源からの熱によって室内に鉛直温度分布を形成する 換気方式である。この換気方式では室下部の居住域を常に清浄な新鮮空気で満たすことが出来る。 また、発熱源あるいは発熱源近くから発生する汚染物質を室天井付近に滞留させて効果的に排出することができる。 汚染物を室上部に運ぶのは人体や機械などの発熱を原動力とする自然滞留である
概念図 置換換気説明
■これまでの研究成果
  • ・一床空間を模した実大実験を行い置換換気時の温度・汚染物濃度分布を求めた。
  • ・既往の研究の計算モデルによって汚染物濃度分布の解析を行った。
  • 可視化煙発生時 可視化写真 風速測定
    ■発表論文
    No. タイトル 著者・発表者 掲載 年月
    国内学会発表・国内シンポジウム
    01
    置換換気と放射冷暖房を併用した病室のセミパーソナル空調に関する研究
    (その1)仰臥姿勢人体からの熱上昇気流の風速分布の把握
    濱口知行,相良和伸,山中俊夫,甲谷寿史,上羽勇毅
    日本建築学会近畿支部研究報告集 第45号 環境系, pp.205-208
    2005.6
    02
    置換換気と放射冷暖房を併用した病室のセミパーソナル空調に関する研究
    (その2)仰臥姿勢人体からの熱上昇気流の温度分布及び流量
    上羽勇毅,相良和伸,山中俊夫,甲谷寿史,濱口知行
    日本建築学会近畿支部研究報告集 第45号 環境系, pp.209-2012
    2005.6
    03
    置換換気と放射冷暖房を併用した病室のセミパーソナル空調に関する研究
    (その3)仰臥姿勢人体からの上昇気流の風速分布
    濱口知行,相良和伸,山中俊夫,甲谷寿史,上羽勇毅
    日本建築学会大会学術講演梗概集 D-2, pp.1011-1012
    2005.9
    04
    置換換気と放射冷暖房を併用した病室のセミパーソナル空調に関する研究
    (その4)仰臥姿勢人体からの上昇気流量と置換換気のための所要給気量
    上羽勇毅,相良和伸,山中俊夫,甲谷寿史,濱口知行
    日本建築学会大会学術講演梗概集 D-2, pp.1013-1014
    2005.9

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